柳沢民雄

名大でロシア語を教えてすでに20年近く過ぎました。その間に私の関心はロシア語からバルト・スラヴ語を経て、コーカサスの少数民族の言語に至りま した。だいぶロシア語とは離れてしましましたが、しかし私の関心はいずれも旧ソ連邦の一員の言葉とそのツールとしてのロシア語であることです。これらの地 域は複雑な斑模様のように言語や文化が入り組んだ地域です。この地域を研究するには、この地域がロシアの影響下にあったために、ロシア語はどうしても必要 なツールです。勿論、ロシアはドストエフスキーをはじめとする文学から芸術、さらに自然科学に至るまで汲めどもつきない大きな文化遺産をもつ国ですので、 ロシア語はその文化遺産を手に入れるための鍵となることでしょう。

近年の緊迫する東アジアの政治情勢にもロシアはまた大きな役割を果たそうとしています。日本が隣国のロシアといかに交渉するかは、我が国の大きな課題です。そのためにはまずロシアを知らなければなりませんが、その第一歩はやはりロシア語を勉強するしか手はありません。